本記事では、離婚歴がある日本人×ドイツ人の国際結婚の手続きについてご紹介します。(長文です)
以前、同テーマで記事を書いたのですが、友人との当時のLINEを見返してみたところ、書き漏れていたことが多々あったので、再度書き直しました。(当時の記憶が諸々蘇りました…w)
国際結婚手続きについてのブログ記事はたくさんありますが、当ブログでのポイントは…
・私に日本での結婚&離婚歴があること
・コロナ禍真っ只中
・先に日本で婚姻届を提出したこと
となります。
結局、プロポーズから婚姻成立まで約9ヵ月かかりました…!!
コロナ禍だったので、私はドイツに来てから一度も日本に帰らずに結婚手続きを終えました。
この時も、他の日独国際結婚カップルの皆様のブログを拝読し、メールで質問させていただいたりしました!!!感謝…
私のブログも、どこかで誰かのお役に立てたら嬉しいです。
- はじめに…日本で離婚歴があると、ドイツ人との国際結婚は超大変!
- 婚姻成立までの流れ
- STEP1 <日本> 市役所で必要書類を取得する
- STEP2 <日本> 書類にアポスティーユをもらう
- STEP3 <日本> 書類をドイツ公認翻訳士に 日→独 翻訳してもらう
- STEP4 <ドイツ> 市役所に書類を提出し、ドイツ人側の必要書類を取得する
- STEP5 <日本> ドイツ人側の書類を 独→日 翻訳する
- STEP6 <日本> 市役所に婚姻届とドイツ人側の書類を提出する
- STEP7 <日本> 市役所で結婚後の新しい戸籍謄本を取得する
- STEP8 <日本> 戸籍謄本にアポスティーユをもらう
- STEP9 <日本> 戸籍謄本を公認翻訳士に 日→独 翻訳してもらう
- STEP10 <ドイツ> 戸籍謄本をドイツの役所に提出する
- まとめ
はじめに…日本で離婚歴があると、ドイツ人との国際結婚は超大変!
ブログの冒頭でも書かせていただきましたが、私には日本で日本人男性との結婚&離婚歴があります。
共働きで子供もいなかったので、協議離婚で離婚届1枚提出して終了しました。
なぜ日本での離婚歴が問題になるのかというと…
ドイツには『外国における離婚の承認』という、めちゃめちゃありがた迷惑な制度があるからです!!!!!!!!
ひとことで言うと、
ドイツ以外の国での離婚歴があるなら、あなたの離婚がちゃんと成立しているということを、ドイツ国内の管轄当局で改めて承認してあげるね!
それをやらないと、ドイツ人との結婚は認められないよ~!
という制度です。(ドイツ外務省による詳細はこちら)
日本で離婚が成立していて、現在間違いなく独身であることを示す書類はいくらでも提出可能なのに、改めてドイツで私の日本での離婚を承認していただく意味が分からないw
が、文句を言っても仕方がないですし、他の方々のブログを拝読してとにかく時間がかかることはよく分かっていたので、早速準備を始めました!
婚姻成立までの流れ
プロポーズを受けた2020年10月、世界はコロナ禍真っ只中!
各国のコロナ規制が日々変動する中、万が一ドイツに戻れなくなると困るので、自分1人で日本に帰国したくありませんでした。(当時は夫は配偶者ではなかったので、日本に入国できない状態だった)
結果として、日本にいる私の両親と業者さんの力を借りることになりました。
コロナ禍という特殊な状況下での婚姻でしたが、日本で離婚歴がある方がドイツ人と国際結婚される場合の手続きの流れ自体は通常と同じだと思いますので、少しでも皆さんのお役に立てたら嬉しいです。
- STEP1 <日本> 市役所で必要書類を取得する
- STEP2 <日本> 書類にアポスティーユをもらう
- STEP3 <日本> 書類をドイツ公認翻訳士に 日→独 翻訳してもらう
- STEP4 <ドイツ> 市役所に書類を提出し、ドイツ人側の必要書類を申請&取得する
- STEP5 <日本> ドイツ人側の書類を 独→日 翻訳する
- STEP6 <日本> 市役所に婚姻届とドイツ人側の書類を提出する
- STEP7 <日本> 市役所で結婚後の新しい戸籍謄本を取得する
- STEP8 <日本> 戸籍謄本にアポスティーユをもらう
- STEP9 <日本> 戸籍謄本を公認翻訳士に 日→独 翻訳してもらう
- STEP10 <ドイツ> 戸籍謄本をドイツの役所に提出する
ちなみに日本で先に婚姻手続きを行った理由は、ドイツが先だと結婚式を挙げなければいけないからです。
コロナ禍も相まって通常よりも更に長く待つ必要があったことと、準備する余裕がなかったため、先に日本で結婚することにしました。
STEP1 <日本> 市役所で必要書類を取得する
まずは日本の市役所で、ドイツでの『外国における離婚の承認』のために必要な書類を取得します。
このありがた迷惑すぎる制度をクリアしないと、結婚に必要なドイツ人パートナーの書類を入手することができません。
先は長いですが、頑張っていきましょう…!
私は日本に行けないので、日本に住んでいる私の両親に代理での取得をお願いすることになりました。
コロナ禍でも国際郵便(書類)は通常と特に変わらない早さでやり取りできたので、委任状を書いて両親に送りました。
■戸籍謄本
■婚姻要件具備証明書
■(元夫との)婚姻届受理証明書
■(元夫との)離婚届受理証明書
最後の2点は「念のため」で取得しました。(心配性)
ドイツでは州ごとに色々と異なるだけでなく、役所の担当者によっても言うことが全然違うという恐ろしい状況が普通に起こると聞き、後出しでダメ出しされないよう、とにかく関係ありそうな書類は全て集めました。
STEP2 <日本> 書類にアポスティーユをもらう
STEP1で取得した書類にアポスティーユをもらう必要があります。
アポスティーユとは、日本の官公庁が発行した公文書が確かに本物であるということを証明する外務省の認証のことです。
外務省のホームページにアポスティーユの申請手続きガイドがあります。
私の場合は、さすがに親に外務省まで出向いて煩雑なアポスティーユ取得手続きをしてもらうことは気が進まなかったので、『アポスティーユ申請代行センター』さんに依頼することにしました。
STEP3 <日本> 書類をドイツ公認翻訳士に 日→独 翻訳してもらう
アポスティーユを取得した後、ドイツが認定している公認翻訳士によって、書類を日本語 → ドイツ語に翻訳してもらう必要があります。
ドイツ外務省のホームページにドイツの公認翻訳士の方々の連絡先が記載されていますので、自分で依頼することが可能です。
私の場合は、STEP2で依頼したアポスティーユ申請代行センターさんが提携している、ツッキー・カールさんという日本在住の公認翻訳士の方に翻訳を依頼できるとのことでしたので、そのままお願いしました。
翻訳が完了次第、国際郵便でドイツまで郵送していただきました。
STEP4 <ドイツ> 市役所に書類を提出し、ドイツ人側の必要書類を取得する
ここが例の、日本での離婚をドイツの裁判所が承認する段階となります。
日本で準備した書類をドイツの市役所に持っていき、裁判所にて私の日本での離婚を承認してもらった上で、ドイツ人パートナー側の書類を取得しなければなりません。
郵送してもらった私側の書類がドイツに届いたので、ドイツの役所に夫側の必要書類の取得の申請をしに行きました。
提出した書類が役所の担当者にチェックされている最中はドキドキでしたが、結果は一発OKでした!
ちなみに担当の女性は、とても協力的ですごく良い方でした!!!
■Ehefähigkeitszeugnis(婚姻要件具備証明書)
■Geburtsurkunde(出生届)
この時、「ドイツ人パートナー側の書類が揃ったらアポスティーユの取得も希望するか?」と聞かれました。
私の地元の市役所のホームページで確認したところ、外国で取得した書類を市役所に提出する際、アポスティーユをつける必要があるとは書いてありませんでした。
ですが、アポスティーユを取得する分にはマイナスにはならないと思い、念のためお願いしました!
と、ここまでは順調でした…が!
市役所 → 地区の裁判所に日本で準備した書類が提出されてから半年ほど待たされた挙句、私の日本での離婚が却下されました!!!!!
裁判所から郵送で却下の知らせが届き、驚いた私たちはすぐに裁判所に電話で確認。
却下理由は、あなたが日本で離婚する際に裁判していないから。(協議離婚だったため)
あと、この裁判所では、日本で離婚歴がある日本人のケースを扱ったことがないので、承認していいのかどうか判断ができない。
大都市の裁判所ならバツイチ日本人のケースを取り扱ったことがあるハズだから、まずはStuttgartの裁判所に回すことになる。
その場合、あなたがStuttgartの裁判所に出向いて、日本での離婚がどういった経緯だったか説明しないといけない可能性がある。
そこでも判断できなければ、更にBerlinの裁判所に回されることになる。
裁判せずに離婚したから却下って………
私は出せる書類は全て出したし、日本で協議離婚した事実は変えようがないので、もうどうしようもない…
更に、裁判所の女性職員が言った内容に絶句…
あなたの日本人の元夫のパスポートのコピーが必要になる可能性がある。
そして、『ドイツの裁判所 → 日本の裁判所 → 元夫』というルートで、元夫に「ドイツ法域における離婚の承認に同意しますか?」という手紙が届くかもしれない。
…はい!?何それ!!!!!!!!!!!!!!!!!
そもそも元夫は私がドイツにいることを知らないので、急にドイツの裁判所から手紙が届いたら当然不審に思うだろうし、対応してくれるとは思えません。(離婚後は全く連絡を取り合っていない)
むしろ元夫が今も同じ場所に住んでいるかすら分からないし、ちゃんと手紙が届くのかも不明…
パスポートのコピーにしろ、ドイツ法域における離婚の承認への同意の手紙とやらにしろ、元夫からすれば協力する義理はないし、むしろ嫌がらせで「同意しない」と返答されたらどうすればいいのか!?
…といった各疑問点を質問してみたところ、
それならそれで仕方ないから、その時はその時!
ナメてんのか!?!?!?!?!?
もう本当に信じられない!!!wwwwwww
夫は、
もう既に半年待ってるんだ!
いい加減にしないと弁護士立てるぞ!!!!!
と大激怒して電話を切りました。
その後、再度市役所に行き、地区の裁判所からStuttgartの裁判所に書類が回されることについて同意のサインをしました。
結果、Stuttgartの裁判所に回されてから約1ヵ月程度で、日本での私の離婚が承認されました!!!!!
元夫のパスポートのコピーも不要でしたし、元夫に郵送で何か届くようなこともなかったようです。
私がStuttgartの裁判所に出向く必要もありませんでした。
私の地区の裁判所がろくでもなさすぎただけだったようです…
ちなみに市役所の担当の女性は、裏から何度も裁判所をつついてくれていたようです。
その心遣いがありがたかったです…(涙)
却下された時は生きた心地がしませんでしたが、無事に承認されて本当に良かったです…!!!
STEP5 <日本> ドイツ人側の書類を 独→日 翻訳する
ドイツ人パートナー側の書類を取得することができたら、今度はその書類をドイツ語 → 日本語に翻訳する必要があります。
私の地元の市役所のホームページで確認したところ、公認翻訳士による翻訳が必要との記載はなく、「日本語の訳文の翻訳者を明らかにすること」と書いてあるのみでした。
どうやら自分たちで翻訳してもよさそうです!
が、万が一のことを考えて、STEP3でアポスティーユ申請代行センターさん経由で書類を翻訳していただいた公認翻訳士:ツッキー・カールさんに直接メールし、個人的に翻訳を依頼しました。
■Ehefähigkeitszeugnis(婚姻要件具備証明書)
■Geburtsurkunde(出生届)
■Beglaubigter Registerausdruck(認証証明書的なもの)← 夫が念のため追加
国際郵便で日本にお住まいのツッキーさんに書類を送付しました。
翻訳完了後は、ツッキーさんから私の両親宛に書類を送付していただきました。
ツッキーさんは対応が丁寧&とにかく迅速でしたし、メールからもフレンドリーな雰囲気が伝わってきて、お願いしてよかったです!!
もし何か翻訳が必要な機会があったら、またこの方にお願いすると思います。
STEP6 <日本> 市役所に婚姻届とドイツ人側の書類を提出する
日本の市役所で婚姻届を入手し、記入が完了したら、ついに日本での婚姻を成立させるために必要な書類が全て集まったことになります!
あともうひと踏ん張りです!!!
私の場合は、あらかじめ両親が市役所で未記入の婚姻届をもらい、ドイツに国際郵便で送ってくれていたので、それを記入して両親に返送しました。
婚姻届の証人欄は両親に記入してもらいました。
ちなみに、婚姻届に記入する前に市役所に自分で電話し、国際結婚の場合の婚姻届の書き方の注意事項を確認しておきました。
あくまで私が婚姻届を提出した市役所での話になりますが、よろしければご参照ください。
■「届出人」欄は、外国人パートナーも自筆で署名する
署名はアルファベットでもOKですが、「文字がグチャッとつながっていて読めないサインはやめてほしい」と言われました。
夫はひらがな・カタカナは読み書きできるので、カタカナで署名していました。
■「住所」欄には、外国の住所をカタカナで記入する
記入スペースが明らかに小さかったので、極小文字でギチギチに書きました(笑)
婚姻届が無事に到着した後、両親が市役所に代理で提出しに行ってくれました。
■婚姻届
■夫のパスポートのコピー(婚姻要件具備証明書で充分なはずですが、念のため)
■Ehefähigkeitszeugnis(婚姻要件具備証明書)
■Geburtsurkunde(出生証明書)
■Beglaubigter Registerausdruck(認証証明書的なもの)
無事に受理されたとの連絡があったときは、本当に嬉しかったです!!!!!
色々と動いてくれた両親には感謝でいっぱいです…!
STEP7 <日本> 市役所で結婚後の新しい戸籍謄本を取得する
日本に続き、ドイツでも婚姻を成立させるためには、新しくできた戸籍謄本をドイツ側に提出しなければなりません。
婚姻届が受理されてから1週間経たないくらいで、私たち夫婦の新しい戸籍ができました!
早速、両親に市役所で新しい戸籍謄本を取得してもらいました。
STEP8 <日本> 戸籍謄本にアポスティーユをもらう
STEP2と同様に、取得した戸籍謄本にアポスティーユをもらう必要があります。
私の場合は、今回も前回と同じく、STEP2で依頼したアポスティーユ申請代行センターさんにお願いしました。
両親に、戸籍謄本をアポスティーユ申請代行センターさん宛に郵送してもらいました。
STEP9 <日本> 戸籍謄本を公認翻訳士に 日→独 翻訳してもらう
戸籍謄本にアポスティーユをもらった後は、STEP3と同様に、ドイツが認定している公認翻訳士によって書類を日本語 → ドイツ語に翻訳してもらう必要があります。
引き続きアポスティーユ申請代行センターさんが提携しているツッキー・カールさんに、そのまま翻訳もお願いしました。
翻訳完了後、国際郵便でドイツまで郵送していただきました。
STEP10 <ドイツ> 戸籍謄本をドイツの役所に提出する
戸籍謄本の翻訳が完了したら、いよいよドイツの役所に提出しに行きます。
私たちも書類が届いてすぐに、戸籍謄本をドイツの役所に提出しました!
これで晴れて、ドイツでも夫婦になりました!♡
まとめ
結婚が成立するまで長~~~い道のりで戦々恐々としていましたが、結果的に一度も離れ離れになることなく日本・ドイツ両国で婚姻を成立させることができました!
長くなったのでここではビザ関連の話は書いていませんが、途中で語学留学ビザ → 大学準備ビザに切り替えています。
(裁判所での離婚の承認がいつまでかかるのか不明だった+大学入学にも興味があったため)
今回、アポスティーユ取得+翻訳にかかった費用は、トータルで約14万円でした!
一見大きな出費に見えますが、とても迅速に対応していただきましたし、プロの方に全てお願いできたのでとても楽でした!!!
早く結婚が成立することを最優先にしていたので、依頼してよかったと思っています。
もちろんできる限り自分でやれば、もっと費用は低く抑えられると思います!
また、このコロナ禍での結婚は、両親の協力がなければ不可能でした。
本当に感謝してもしきれない…!
帰国時にたくさん親孝行したいと思います。
そしてスムーズに事が進むかどうかは、本当に運次第だと痛感しました…
日本での離婚を承認してもらう際に、裁判所の職員に訳の分からないことを言われても、焦らずに落ち着いて対処しましょう…
ドイツに来てからは一筋縄ではいかないことも起こりますが、その度に夫婦で力を合わせて乗り越えています!!!!
いつまでも仲良し夫婦でいられるよう、日々努力していきます♪
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